抗がん剤にもジェネリックはあるの?

ジェネリック医薬品は、がん治療においても少しずつ普及してきています。特許の切れた抗がん剤に限りますが、まだ全体の2割程度ではあるものの、その数は確実に増えつつあります。数年後には、さらに多くの抗がん剤を選べる時代が来ることが予測されています。


TS-1にもジェネリック品が登場

一般的に抗がん剤は高価です。一部の先進的な薬を除き、ほとんどは保険適用で3割(人によって1割)負担ですが、それでも点滴なら1回につき数万円がかかりますし、経口薬も1日で千円単位になります。 これをジェネリックに切り替えられるなら、かなり自己負担額の軽減につながるでしょう。

現在、ジェネリックの出ている抗がん剤の例としては、一般名でゲムシタビンやイリノテカン、エピルビシンやカルボプラチンなどです。 また2013年には、主力抗がん剤である「TS-1」にもジェネリックが出たことが話題となりました。先発薬の薬価は1錠700~800円ほどでしたが、ジェネリック品の「エヌケーエスワン配合カプセル」(日本化薬)は400~500円と、約7割の価格で購入することができます。 継続使用するとなると、大きく負担を減らすことが可能です。

しかしこの薬を保険適用で使えるのは、今のところ胃がんのみに限られている点が残念なところです。今後、肝臓がんなどにも適用されることが望まれます。

また抗がん剤のほか、がん治療の痛みの緩和に用いられる麻薬にもジェネリック品が発売されるようになりました。今後はますます薬の選択肢が広がる時代になることでしょう。


ジェネリックに切り替えるためには?

ただし抗がん剤の場合、医師がジェネリックを認めるかどうかという問題も大きくのしかかってきます。もちろん抗がん剤も他の薬と同様、先発薬との効果の差がないことを調べる試験はおこなわれていますし、安全性は確認されています。しかし抗がん剤ならではの副作用の強さや、他の薬との相性といった問題に慎重になる医師が多いようです。

また病院の点滴治療などで使われる抗がん剤は、同じ有効成分のものを複数そろえる医療機関はほとんどありませんので、自分1人だけがジェネリックで、ということは難しくなります。こういった事情が、抗がん剤のジェネリック普及の障害となっています。

ただし薬局でもらう経口薬の場合、医師が切り替えを認めさえすれば購入は可能ですので、相談してみると良いでしょう。今後さらに抗がん剤のジェネリック品の安全性が認知され、患者さんが安価に治療をおこなえるようになることが期待されます。