ジェネリックと先発薬、その明暗

日本では現在、医療費削減を目的としてジェネリック医薬品の普及を促進しています。 これに伴い、大手製薬会社では体制の見直しを迫られる事態となってきています。


先発薬メーカーの危機感

ジェネリック医薬品を国がバックアップし、積極的に販売していくということは、先発医薬品を作っている製薬会社は売り上げが大きく減少する可能性があるということになります。

これまでは、たとえ特許が切れても積極的にジェネリック医薬品へ転換する人は少なく、これまでと同じ処方薬を継続するのが一般的でした。 特許が切れた先発薬は新薬を製造するメーカーの売上高の40%以上を占めており、製薬会社の大きな収入源となっていました。 しかし、今後はこの売り上げが大きく減少すると考えられます。

さらには、今後開発する予定の新薬も、特許切れとともに売れなくなる可能性があり、薬そのものの販売寿命が非常に短くなると考えられるのです。 このため、各社とも業務のスリム化や他社とのM&Aなどに積極的に取り組み、経費削減と新たな販路拡大に向けて積極的な対策を講じています。


ジェネリック普及による影響

現在最も懸念されているのが、大手製薬会社がお金のかかる新薬開発から手を引き、ジェネリック医薬品の会社へと移行してしまうのではないか、という点です。

高額な先行投資をして新薬を開発するよりも、ジェネリック医薬品を作った方が儲けが大きくなるのであれば、無理な投資をする意味はなくなります。このままでは、新薬の製薬会社が次第に減少していくのではないかと考えられているのです。

万が一、このような状態になると、日本では効き目の確かな新薬は手に入らなくなり、医薬品の供給が不十分になる可能性があるのです。 長らく信頼されていた日本の医療そのものにも影響を与える可能性もあり、懸念が広がっているのです。


ジェネリック医薬品会社の今後

一方、ジェネリック医薬品会社にとっては大きなチャンスとなっていて、社内の体制の強化に努めているようです。 現在、各社ともジェネリック医薬品の研究開発費を増額し、増産に向けて設備投資を行い、需要の取り込みに全力を挙げて取り組んでいます。

一度ジェネリック医薬品が定着すれば、その後は変更されず長く売れ続ける可能性は非常に高く、この切り替えのタイミングで自社商品をできるだけ多く開発し、薬局に営業をかけることは、今後の社の発展にダイレクトに影響を与える重要な要件となります。

現在の動き方次第で、その後長期にわたる社の売り上げが大きく変わってくる可能性があるのです。 いずれにしても、製薬会社業界は大きく変わることとなると考えられます。


今後のお薬事情

なお、国は現在、処方箋薬をできるだけ減らし、薬を保険適用から外して患者が薬局で購入するように促す働きかけを行っています。 もしもこれが実現すると、薬は3割負担ではなく全額自費負担となりますので、少しでも安くしたい場合は、ジェネリックを選択することとなります。

薬局で販売される医薬品も、今後はますますジェネリック医薬品に置き換えられていくかもしれません。 消費者も、医者任せ、薬局任せではなく、しっかりと薬の知識を勉強し、賢い選択ができるようにしたいものですね。