日本の国民皆保険制度とジェネリック

ジェネリック医薬品が国を挙げて推進されている現状を知るためには、まず私たちが普段活用している健康保険制度について知る必要があります。 日本の健康保険制度は世界の中でもかなり高水準といわれ、誰もが少ない負担で、品質の高い医療を受けることができます。


素晴らしい国民皆保険制度

会社員はそれぞれの健康保険(いわゆる社会保険)、公務員は各種共済、それ以外の人は国民健康保険など、人によって種類は違いますが、日本国民である以上は何らかの健康保険に加入することが法律で義務付けられています。 厳密にいうと、基本は誰もが国保で、職業や家庭環境に応じて他の保険に一時的に移っている、と考えられています。

よく「国保の加入手続きをしていないから、自分は入っていない」と主張する無保険の人がいますが、それは間違いで、どんな人も国保に自動的に入っているのです。そのため、支払いをしていないと法律違反ということになってしまいます。

そこに私たちの自由意思はありません。しかし、この「国民皆保険制度」があるおかげで、誰もが1~3割の自己負担でハイレベルな医療を受けることができるのです。

他の国を見渡してみると、日本のような保険制度を敷いている国は実は多くありません。アメリカなどは、皆保険制度に向けてオバマ大統領ががんばっていますが、国民が加入するのはあくまで民間の医療保険です。医療費が無料のカナダやスウェーデン、イギリスなどでは、かかれる医療機関に制限がありますし、待ち時間がとんでもなく長いという問題がみられます。

好きな時に予約なしで、全国の好きな病院にかかれる。私たちは当たり前と思っていますが、これは世界からみると非常に恵まれたシステムといえるでしょう。


残りの7割は誰が支払っている?

その医療費ですが、たとえば私たちが窓口で3割を払うとすると、残りの7割は加入している保険者から支払われます。つまり社会保険にしろ国保にしろ、加入者が月々納めている保険料がその財源です。

しかし実際は、保険料だけで賄うことは難しく、国からの補助(税金)も数割を占めています。特に少子高齢化が進む日本では、保険料を納める世代が減ると同時に、医療を受ける世代が増加する一方ですので、財政的に苦しくなっているのです。

そんな日本の総医療費は、年間35兆円を超え、このうち約8兆円が薬剤費とされています。もしも特許の切れた薬をすべてジェネリック品に切り替えたとしたら、医療費を年に1.7兆円抑えられるとの試算もあり、国もその普及に力を入れています。 日本の素晴らしい保険制度を崩壊させないためにも、ジェネリックで医療財源を少しでも確保することが求められているのです。