なぜネットでは日本にないジェネリックが売られているのか?

ジェネリック医薬品は、特許の切れた先発薬にならって作られます。つまり特許が切れていないうちはジェネリック品を販売できないはずなのですが、インターネットで調べていると、海外には日本で手に入らないジェネリック品がたくさんあることに気づくと思います。 特に多いのはインド産です。そこには国によって特許期間が異なるという事情があります。


個人輸入は自己責任で!

薬の特許期間は、各国で異なります。また薬がいつ認可されたかによっても変わってきますので、一般的に認可が遅いといわれる日本では、どうしてもジェネリック品が出てくるのが他国と比べて遅いという現状があります。

たとえば2014年ごろからようやくジェネリックが出てくる、ED治療薬のバイアグラですが、本国アメリカでは同等の機能を持つ競合品はありますし、お隣の韓国でも2012年に特許の満了を迎え、さまざまな後発品が出ています。

本来なら安全のためにも、国内で正式に特許が切れ、厚生労働省の認可を受けたジェネリック品を使用すべきなのですが、少しでも早く薬代を節約したい人たちが、ネットを通した個人輸入で海外製の薬を手に入れています。

しかし業者を介する以上、どうしても偽造品のリスクはつきまといますし、個人輸入した薬で万が一重篤な副作用が起きても、国は公費で面倒をみてくれません。「自己責任」のもとおこなう必要があるのです。


インド製のジェネリックが多い理由

インドはジェネリック製造にかけては世界一ともいえる国です。というのも、インドはもともと「薬の特許」という概念そのものがない国でした。

現在では、画期的な新薬などは成分特許が認められるようになりましたが、以前からある薬の化学構造を変えただけの薬には、今もなお特許は認められていません。実際、スイスのノバルティス社が、自社の「グリベック」という抗がん剤の特許をインド政府に求めましたが、裁判においてもその訴えは認められず、大きなニュースとなりました。もちろん他の国では、当たり前のように特許が認められている薬です。

インド側としては、「グリベックに使われている物質に目新しいものはなく、成分特許を認められない」としています。こういったインド独特の特許事情に対して、欧米の製薬会社はかなり対抗措置を試みている状態です。

しかし一方で、新しい薬のジェネリック品をどんどん作るインドは、アフリカなどの発展途上国にとっては非常にありがたい存在です。HIVの治療薬も抗がん剤も、インド製の安価なジェネリック品があるおかげで、国境なき医師団たちも喜んで活用しているのです。

つまり、製薬会社の利益を守るか、途上国の人々の命を守るか、といった問題にまで発展するインド産のジェネリック事情。ただし日本人が個人輸入で利用する際には、あくまで自己責任であることを心得ましょう。