海外のジェネリック事情

日本は世界の中でも、ジェネリック医薬品に関しては後進国といわれています。海外における医薬品のシェアを見てみると、アメリカやイギリスをはじめとする欧米諸国では60パーセント以上となっていますが、日本ではまだ20パーセント程度にとどまっています。 その背景には、健康保険制度の違いなどがあります。


アメリカの場合-市場型の医療保険

アメリカではジェネリックのシェアが全体の7割を占めており、まさにジェネリック先進国といえる状況です。「同じ成分で同じ効能なら、より安い薬を買う」という意識が国民全体に浸透しています。

そこには、アメリカが日本のような国民皆保険制度を実施していないことが大きく影響しています。高齢者や障害者など一部の人を除き、多くの国民が民間の保険に加入していますが、民間の保険会社ではより安く保険サービスを提供するため、加入者にジェネリック医薬品を利用するよう推奨しています。

また高齢者や低所得者層、障害者などが加入できる公的保険の「メディケイド」と「メディケア」においても、ジェネリック品の使用が原則とされています。つまり国を挙げてジェネリックの利用が促進されているのです。

さらにアメリカは「医薬分業」が基本であるのも、日本とは大きく異なる点です。薬局側が、医師の処方した薬をジェネリック品に変えて調剤できる「代替調剤」が認められているため、日本のように医師の裁量次第ということがありません。


イギリスの場合-国営型の医療保険

ヨーロッパでもジェネリックのシェアは広がっており、たとえばイギリスでは全体の5~6割をジェネリック医薬品が占めるようになっています。

イギリスはアメリカとも日本とも異なる、特殊な保険制度をもつ国です。基本的に医療費はすべて無料なのですが、患者側が自由に病院を選ぶことはできず、「家庭医」とか「かかりつけ医」と呼ばれる、近隣の指定された医療機関にしか原則的にかかれないことになっています。 つまり医療費は国の財源(税金)から支払われるだけに、国が規定するところの多いのがイギリスの医療の特徴です。

少しでも医療財源を確保するため、イギリスでは国民にジェネリック医薬品の利用を勧めています。現在では「健康保険サービス法」にもとづき、ジェネリック品があるにも関わらず先発薬を処方する際は、医師は特別な理由を明示することが義務付けられています。

そのように考えると、日本のジェネリック普及率が低いのは、日本の健康保険制度が充実しているからともいえそうです。