厚生労働省はなぜジェネリックの使用を促進しているの?

最近、TVCMなどでも頻繁に目にするようになったジェネリック医薬品。役場や医療機関にも積極的にポスターを貼るなど、厚生労働省はその普及に力を入れています。

ここまで熱心にPRをしている背景には、ジェネリックの普及によって、国の医療保険財政の軽減が期待できるという事情があります。


増え続ける医療費をどうする?

日本では1961年から「国民皆保険制度」が確立し、誰もが少ない自己負担で高品質な医療を受けられるようになりました。世界の中でも日本の健康保険制度はかなり優秀です。かかれる病院に制限がない上に、いつでも3割(人によって1割)負担で医療を受けられる国は、実際それほど多くありません。

アメリカをはじめとする多くの国では、風邪をひいた程度で病院にかかることはまず考えられないことです。日本人は海外からみると、病院の利用回数が非常に多い国です。それもすべては、健康保険制度の充実のおかげといえるでしょう。

しかし一方で、確実に進む少子高齢化により、医療保険財政はかなり厳しくなっています。年金と同様、保険料を支払う世代が少なくなるとともに、医療を受ける世代は年々増加の一途をたどっています。現在の国民医療費の総額は35兆円を超えるともいわれており、今後もますます増加する見込みです。

そこで少しでも財政を確保するため、薬を薬価の低いジェネリックに切り替えることが推奨されるようになりました。日本のハイレベルな医療をキープしつつ、健康保険制度が崩壊しないようにするために、ジェネリック医薬品の果たす役割は大きいといえるでしょう。


国が推奨する「一般名処方」とは?

ジェネリックを推進するため、国では平成24年度から、「一般名処方」をおこなう医師に処方箋料を加算することにしました。つまり「ジェネリックの処方に協力してくれるお医者さんには、少し報酬を上げますよ」というわけです。

一般名処方とは、薬の銘柄を指定するのではなく、有効成分とその量のみを指定する処方の仕方です。あとは調剤薬局が、それをもとに適切な薬を選びます。ジェネリックは、1つの先発薬に対して複数ありますので、すべての銘柄を1つの薬局でそろえるのはスペース的にもムリがあります。一般名処方なら、銘柄の選択は薬局に委ねられますので、薬局側にとっても負担が少なく済みます。

一方、銘柄名処方においても、ジェネリック品のある薬に関しては「後発品への変更不可」という欄を設けることによって、医師がチェックを入れるか入れないかの選択をしています。入れなければ患者さんは自由にジェネリック品を購入できます。何らかの事情で不可とする場合は、チェックを入れた上で医師のサインも必要にするなど、ひと手間かけさせる仕組みになりました。 国もあらゆる手立てを講じて、ジェネリック推進に励んでいることがよく分かります。