生活保護家庭にジェネリック利用が義務化!?

2013年5月に、生活保護法の改正が閣議決定され、国会に提出されました。受給者の増加などから、見直しが叫ばれていた生活保護ですが、今回の改正案の1つに「できるかぎり受給者には、ジェネリック医薬品を使用するよう努めるものとする」という項目が入ったことで、議論を呼んでいます。


受給者は原則、ジェネリックしか使えなくなる!?

長引く不況により、増加の一途をたどる生活保護の受給者ですが、保護を受けていると医療費が全額無料になることはよく知られています。診察代はもちろん、薬代もすべてタダです。

これも財政を厳しくしていると見なし、国は「医師がジェネリック品の使用を認めたものに関しては、可能な限りジェネリック品で」とする法律を作ろうとしています。

おそらく今後は、生活保護受給者に対しては、医師が認めた場合に限り、より安価なジェネリックの処方が原則となる見込みです。先発薬を使用する場合は、その理由を明確にしなければいけなくなる可能性があります。

実際、生活保護費の中でももっとも多くを占めているのが医療扶助です。2010年度のデータを見ると、生活保護費3兆3296億円のうち、約半分にあたる1兆5701億円が医療費でした。薬代は、医療扶助の14.5パーセント(2300億円)となっています。

2013年8月から、保護費そのものが減額されることは既に決定していますが、さらに薬にも規制が入ることになりそうです。


ジェネリック使用で医療扶助は減らせる!?

厚生労働省は現在、医療財政を少しでも確保するために、ジェネリックの使用を国民に積極的に呼びかけています。日本でも徐々にシェアは広がっていますが、その水準は海外の先進国と比べるとまだまだ低いものです。特に生活保護受給者においては、保険加入者よりもジェネリックの利用率が若干低いことが分かっています。

おそらく医療費の負担がかからないだけに、ジェネリックを選ぶインセンティブが働きにくいことが一因ではないかと考えられています。

しかし生活保護受給者にジェネリック利用を義務化することで、どれくらい医療費が安くなるかは疑問だ、との声もあります。たしかに薬代は抑えられるのですが、ジェネリック推進の一環として、ジェネリックを処方した医師や、調剤した薬局の報酬が加算されるようになったため、結果的に医療費がかならずしも安くなるわけではないのです。

さらに、受給者にジェネリック利用を課すことで、人々に「貧しい人が仕方なく使う薬」という誤ったイメージを与えかねない、との懸念もささやかれています。

生活保護の医療扶助の中でもっとも大きいのは、入院費用です。こちらの解決を後回しにして、薬代のことばかり問題にするのはいかがなものか、という反論もあり、今後どうなるかが注目されています。