国全体の節約に着目しよう

日本は、国民皆保険制度によって1人1人の医療負担は安価に抑えられているため、薬代に対する意識が他国に比べて低いと言われています。

たとえば、日本ではカゼで抗生物質を求める患者は多いのですが、実はカゼの症状に抗生物質は全く効果がないことが分かっていて、世界的にはほとんど処方されていません。

むしろ、抗生物質をムダに投与することは大きなデメリットと考えられていて、他国からも日本の処方を問題視する声が寄せられているのです。

ほかにも多くの処方に関して、他国から首をかしげられる状況があるのですが、患者側も病院に「薬をもらいに行く」という意識が強く、薬が出ないと「損をした」ような気になるため、医師も必要ない処方を行わなければならないという現状もあるようです。

しかし、このまま増え続ける医療費を放置すれば、国民皆保険制度そのものが危うくなると言われています。 薬のムダに関して、しっかり意識することが大切です。


カゼに効く薬はない?

たとえばカゼで熱が出た場合、海外では病院に行くことはほとんどありません。

実はカゼそのものを治す薬はなく、身体をゆっくり休めて安静にする以外に対処方法はないのです。 外国では、このことが広く浸透しており、無理をして病院に行くようなことはほとんどないようです。

もちろん、よほど症状が耐えられない場合は、対処療法として解熱剤や鎮痛剤、咳止めなどが処方されますが、効かないと分かっている抗生物質をあえて処方するようなことはありません。

抗生物質は、扱いが難しい薬で、決められたとおりにきちんと飲まなければ命を危険にさらす場合があるのです。

抗生物質は、体内に侵入した感染症の菌を殺す薬ですが、万が一菌がまだ死滅しないうちに中止してしまうと、抗生物質の効かない耐性菌ができてしまう可能性があります。

この耐性菌は、一般に元の感染症の菌よりも強力となり、感染力も強く、周囲の人に次々と移る可能性が高くなります。 抗生物質が効かないため、対処するすべがありませんので、症状は深刻になり、命を落とす危険もかなり高くなります。

近年、世界的にこの耐性菌による被害が増え、問題となっています。 このため、海外では抗生物質の処方はかなり慎重に行われます。


患者が薬を強要する?

日本では、いまだに病院に抗生物質をもらいに行く、という人も少なからず存在します。患者からの求めに応じて薬を処方する医師も多く、いまだに多くのムダな処方が行われていると考えられます。 これは、薬を出さない病院を避け、薬を多く出す医師を選択しがちな、患者側の問題です。

また、インフルエンザの特効薬と言われるタミフルも、海外ではほとんど使用されません。 タミフルの効果は、インフルエンザの症状を1日早く回復させる程度のものです。たった1日のために、高価な薬を飲むような人はごく限られているのです。

さらに、効き目よりもその副作用として起きうる幻覚症状の方がより深刻な問題をはらんでおり、積極的に処方する医師は海外ではほとんどみられません。

タミフルの世界全体の使用量の実に半分は日本で消費されていますが、その効果を患者側がしっかり把握しているとは到底思えず、また、薬価がムダだと考え、医師に意見を言うだけの知識が患者にないことも問題ではないでしょうか。


節約の意識を

健康保険の赤字状況は年々深刻化しており、このままの状態が続けば、いずれ破綻する可能性も否めないと噂されています。

安価でだれもが安心して病院を訪れる国民皆保険は、世界トップクラスの恵まれた制度です。 今後も制度を維持するためには、国民一人一人がよりシビアに医療費をチェックし、節約する意識を持つことも大切です。

ジェネリック医薬品は、我々の負担も軽減しますが、国の負担軽減はそれ以上に大きくなるのです。 積極的にジェネリック医薬品を利用することは、国全体にとっても大きな意味のあることとなります。